対談 その2

い:ご無沙汰しておりました、前回話が途中でしたね。

 

ひつじ:さっき見返したんだけど、途中だね。子供の頃に食らった理不尽なエロの話してた。

 

い:ああ、そうでした。エコエコアザラクでした。

…そうですね、ひつじさん、あれからほぼ2ヶ月が経ちますが、最近はいかがお過ごしですか?

 

ひつじ:こっちはこうさどうにもならんよ、今んとこはまあそんな感じなんだ、です。

 

い:ふふ。なるほど、分かりやすい。貴方は割と年がら年中、金に困窮していたり、仕事もしてたりしてなかったりと不安定が板についてらっしゃるものね。

 

ひつじ:自分で言うのはいいが人に指摘されるとってやつ。うるさいぞ、お前。

 

い:失敬。具体的に何か、エピソード的なのありますか?その、どうにもならない日々の。

 

ひつじ:今年ね、29の齢なんだけど、僕は何というか、今年のはじめにすごく身構えたんだよね。29歳ってなんか危うい季節なんだろうなと、何となくわかって。過渡期でもあるし、総決算でもあるし。ああ、まだ前段なんだけど。

 

い:はいはい、いいですよ。

 

ひつじ:それで、蓋を開けてみたらそこまで大した出来事はなかったけれど、とにかく、見えない力が働いているのは分かった。僕が浮ついた事をしたり、焦ってジタバタする毎にそれなりの叱責が都度、必ず返ってきた。やるべき事、やるべきではない事というのが明確に見えて、というか、それ以前も見えてはいたけど、みないふりをしたりして逃げれたりできたんだけど、ここに来て、いよいよ僕の神さまが僕のケツを叩きはじめて。

 

い:一概にそういう年の事を人は厄年とかいいますよね。ついてない、不幸だと。

 

ひつじ:損得や幸不幸でまず考える人は貧しいです。うーん、スピった話になるけど、運命の大きな流れがまずあって、それには抗えないわけ、絶対に。流れのない時期に何をしてもうまくいかないように。で、一人で生きてきた人にはよく分かると思うけど、そういう、兆し、流れのしっぽとかここから向かい風だなとか何となく分かってくるのよ。あ、今日からなんか変わったなって。

 

い:それは誰しもにも言える事ではなさそうですね。

 

ひつじ:どうだろう……。なんか偉そうだな。ごめんなさい。

 

い:いいんですよ。面白いです、わりかし。

 

ひつじ:うーん、あまりおしゃべりな奴って好きではないんだよ。得意になっちゃって。僕は自分の平熱というのが分からないんだ。直ぐにおかしな事になってる気がして、つい謝ってしまう。

 

い:あんた、変だよ。ずっと。それでいい。

 

ひつじ:まあいいか。それで、なんの話だっけ?

 

い:ご自分で遡ってください。あまりついていける文脈ではないので、かいつまむのも容易ではないです。

 

ひつじ:えーと、つまり多分、20代の最後の歳はそれまで習慣化した悪しきものを捨て修正の効くものは修正し、先に進めという神さまからの仰せをビシビシと感じるなって今年の途中で気づいたんですね。

 

い:じゃあまあドツボとか八方塞がり的などうにもならなさではないわけだ。

 

ひつじ:そうだね。エピソードで言えばubereatsの配達中に料理をピックアップして届け先まで残り500mくらいの所でスマホ落として電源入らんくなって途方にくれたり、バイクパンクしたり、仕事で小指骨折したり、金が無さすぎて、ゲーム機とか楽器を質に入れてしまったり、適応障害になってしまって仕事の初出勤の日は動悸がひどくなったり、一番仕事がハードな時にしっかり眠りたい時にベッドがイエダニにやられかけてゴミ袋敷き詰めて小さくなって寝たとかそのくらい。

 

い:わはは。ダメだねえ。でも、段々、良くなってきたわけ?もう年の瀬だけど。

 

ひつじ:そうだね、最近やっと諦めがついたんだ、一番厄介だった事に。詳しくは言わないけど。

 

い:それは良かった。どうしよう、まだ近況しか聞けてないわ。まあ12月の近況は長くなるよね。大体、そこそこ真面目な人にかかれば、それは今年の振り返りになるんだから。

 

ひつじ:そうだよ、ほんとインタビュアーとしてペース配分とかちゃんとしなさいよ、あんた。こちとら、いいだけ話せば止まんないんだから。

 

い:ですんで次回はあまり間を空けずにまたやります故、何卒頼みますね、ひつじさん。