昨日、街に出た

日は高く雲など見当たらない、真っ青のパーマネント

街に出たからには自分の部屋のドアに鍵をかけてきた

 

あれ、どうだっけか

いまいち自信がない

 

風の音を辿るとそれは全ての窓が開け放たれた私の家の中を吹き抜け続けるそれなのかもしれない

あまりに強く吹くものだからドアがはたはた揺れている

その音が聞こえてくるようだ

 

まあ気のせいだ

部屋を出たから街にいる

 

なあ、街には等間隔に置かれてる街路樹や電柱、住宅街の区画や信号機階段それら全て誰がそこに置く事に決めたんだろう

 

なあ、街にはその街をデザイン人がいるはずだよなあ。街の設計士さん、どこにいる?

それら全部がシュールリアリズムな風景に含まれようとしている様に見えるんだ

 

ジオラマが好き

触れた瞬間に虚をつかれた

しかしその相手はとうの昔にここを立ち去ってしまっている

そんな所在なさ(言うならば。しかし、ここはあえて言葉で埋める所ではない)が堪らなく好きだ

イマジネーションを刺激する

 

街を散歩する

街中で鏡を見つけたら君はその嘘を暴くほんのきっかけを見つけなければならない

綻びやささくれといったものだ

 

街中で鏡を見つけたら君はその現実を疑わなければならない

今君をちらと見て足早に通り過ぎ路地を曲がった女はその先で変装を解いてる最中かもしれない

 

アリスの落ちた穴を探す

現実と夢想の世界が溶け合う場所などない

幼少期にディズニーランドに狂わされた感性がある

アトラクションの建物はいかにもハリボテだ

魔法ではない

暗い場所がある 

通用口、スタッフしか入れない場所そんな所ばかりが気にかかる

アトラクションよりもっとワクワクする事が僕を待っている気がした

   

私は私を待っている

瞳の動きを呼気の乱れをよく観察してほしい

簡単な話だ

真を見るんだ