同族

・ベースを始めてどこかのバンドに入りたいと思ってandymoriコピーバンドがベース募集してたので、声をかけた。ドラムのやつがスタジオ入る前に顔合わせをしたいと言い出したのでこんな事で難色を示すのはどうかと思ったからその時はすんなり従った。当日、待ち合わせ場所のドトールに連中が先に着いてしまったので、私はそのバンドに入るのを辞めにしようと思った。この時になって気づいたが私は自分の好きな領域への関わり方にひどくこだわっているのだった。自分の中で連中の面構えと雰囲気を見て最終的に決めようとなり、予め、店内のこの辺りにいるというメッセージは来てたので素知らぬフリをして店内をぐるっと一周した。

こういうのは一目で分かる。そこにいたのは気の良さそうなただの若造二人だった。硬派でも世捨て人でもないし、それどころかメランコリックもニヒルすらも感じない。店内を物色する為に買った持ち帰り用のアイスティーをちまちま飲みながら、飲み終えてからは結局それを最寄駅のゴミ箱まで持ったままだった。

私が求めているものは何なのかスタイルも決まっていない、経験もまるでない。彼らは今の私に相応しいという神様のお導きだったらしい。

私は自分一人である地点まで行かなくてはならない。その内は誰とも会えないし何もできないだろう。出会う人、みな私なのだから。同族を嫌悪する事で今を生きる糧にもしている私なのだから。