9月29日

風が絶えず吹いている

小さく

 

私は高くなった秋の空を見上げながら些か高くなりすぎたと思っている

昼を過ぎて日暮れまでもまだ少し、といった時分に鈍く輝く月が、また身じろぎ一つしない巨大なスケールの雲らが流浪の民であれと言う

 

またそれらの事は私たちが宇宙由来である事を知らせ、パノラマやスケールという言葉がつい頭に昇るのはその景色の中に巨人族が含まれていた時代があった事をその語感から示している

 

宇宙は井戸の底や海底を覗くようで実は繋がるのは自己の内部で、とても親密な場所だったりする

 

 

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小さな陽射しに向かい瞼の中で目を開くと血の管の色と皮膚、それを透かして見える色は立体的な成り立ちで一重に色とは呼べない。

暗く温かく懐かしく、また余りに遠く侘しいもの。風の匂い。ああ、ジーベックシーモアを聴いている時の気分に近いな。

地の民、血の民、智の民の郷愁

太陽と風の間にある親和性を教えてほしい

それは私たちの解らない言葉で囁かれる

あそこから来たといえ 在処はない

それは風を覗くようなものだ