夢日記
実家、母と私。小さな斧を持った男。リビング。
男の身体は鍛え上げられ身長は高くはないが良く引き締まった身体つきで、彼が持っている小型の斧と同様に機能性に優れ無駄が見当たらない。
男はシリアルキラーであって、我々は軟禁されている。
我々はどういう経緯でか判らないが彼と会話をするくらいの猶予を得ていた。それは我々が彼に何か交換条件で得た猶予なのか、それともこうする事が純粋にこの男のプロとしての仕事の流儀か、ただの気分か、解りかねる。
私はその斧で私たちを殺すのですか?
とか
今まで何人の人を殺したのですか?
とか
全く意味のない質問をした。
なぜなら、それはより自分の恐怖心を強くするだけで彼の世界が確固として確立されていくだけの様な気がした。
また、この理不尽が彼の日常にすり替わっていくような薄ら寒い、深い絶望感が何度も襲った。
勿論、頭の中で逃げる方法をずっと考えてはいた。
玄関のドアは立て付けが悪く鍵を二つ開けて外に押しでるには少し手間取る、それにはここから距離が近すぎる。
二階に駆け上がり自室からベランダに通じる窓を開けてそこから庭に飛び降りて道路に出て助けを呼ぶ。
可能性があるとしたら後者の方だ。
しかし、私が警察なり助けを呼んでいる間に母は殺される可能性が高い。
斧はないとは言え、あれだけ鍛え上げられた肉体だ、70代の女を殴り殺すなどわけないだろう。
しかし、このままでは二人とも確実に殺される。
行くべきか、どうするべきか。
男は國村隼にそっくりだった。