夢日記

どこかの街の深夜の夜景。
当然、眼下に夜景なのだが、見上げる空がある位置には何もない。ただ、都市の呼吸としての数多の光の明滅しか確認できない。だから、一般的な深夜の夜景とは言えない。聖書の最初の日のようなカオスに何故か、都市だけが存在しているような様相。

上部が圧倒的に濃い黒、暗黒で地平線の彼方がややグレイに見え、それは都市の光が作った霧のようにも見える。結果として都市群と暗黒荒野のように僕には見えている。

 

そして僕は中空にいて夜景を俯瞰し、この世について一人考えている。

 

僕はもしかしたら何かの微生物か?コンピュータウィルス?ダニ?

 

もしかしたらそうかもしれない。自分で自分の姿を見るのもかなわないこの暗さの中で、暗黒の温もりだけは分かる。風でも吹いてくれればと思うが、活動を認識できるのは遠くの都市の他にない。

 

この世には確かに平行宇宙が幾つもあることを、

彼はこんな理不尽な目に遭いながらもただ、何かに生かされていると強く感じている。暗黒は全ての意味性の母体で、この温もりはかつてより知っていた気がした。もし、これが完全な暗黒ならば、きっと何かがここから生まれるのだろうと前向きにもなれたが、眼下の都市のせいで僕は不安を感じていた。何も起こらず変わらずこのままな気がしていた。だとしたら、僕は悲しいかな神にもなってしまうと思った。